冴子は、その後、学校に来なかった。教師からは病欠としか知らされなかった。口の軽い同級生は「最近、寂しそうだね」と軽口を叩いたが、当然、無視した。
夏が、そろそろ秋の気配を帯びる頃、深刻な顔をした秋子に呼び出された。昼休みの気怠い中庭。偶然か人の気配がなく、しんとしていた。
「冴子が、…」と彼女は口ごもったままいきなり大粒の涙を流し始めた。しばらく肩を震わせて、声を押し殺して泣き続けた。黙って見守るしかなかった。急に日が陰った。
「冴子が白血病なの」
テーマ : 自作小説 - ジャンル : 小説・文学
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